アパートなどの収益物件は「空室」が目立つ状態で売却するよりも、「満室」で売却するほうが高く売れると言われています。それは一体どうしてなのでしょうか。
今回はその理由を解説し、物件の売却にふさわしいタイミングと物件を満室にするための対策について紹介します。
不動産投資家の売却状況
不動産投資のプロは物件をなるべく「満室」にして売却することを目指します。なぜなら、満室であればその物件は収益物件として大きな価値があると判断されるからです。不動産の価値はその物件がもつさまざまな条件から割り出されますが、満室状態はそのなかでもとくに評価が高いのです。
たとえば、満室の物件と空室が目立つ物件の2つがあったとして、基本的な条件が同じだとすれば不動産投資家は必ず前者を選びます。目が肥えた投資家は、「満室状態の売却物件はないか」と目を光らせていると言っても過言ではありません。
満室で売却すると高く売れる理由とは
では、満室状態の物件が高く評価され、売れる理由にはなにがあるでしょうか。
利回りがいい
収益物件の売却価格を決めるのは、その物件の「利回り」です。当然、その利回りがいい物件ほど高値がつきます。満室の物件を購入した人はその後とくに何もしなくても、部屋数分の家賃が手元に入ってきます。
反対に、一部屋でも空きがある物件を購入した人は、空いている部屋を埋める努力をしなければその分の収益を得ることができません。広告費や手数料を不動産仲介業者に支払ったり、クリーニングやリフォームに費用をかけたりしなければならないこともあります。そうなると、空いているのはたった一部屋でも、それを埋めるために数十万円かかることも珍しくはありません。空き部屋が多ければ多いほど費用はかさむことが予想できます。
こういった事情から、満室の収益物件はとても人気があります。物件の売却を考える際は、路線などのアクセス面や公示地価を気にする以上に、空き部屋を作らないことに注力し、満室での売却を目指しましょう。
印象がいいため、その後の運用に役立つ
所有する物件が満室状態であれば売却価格が高値になるため、それだけ資産的な価値も高まります。銀行や不動産会社からの印象もいいため、その後の資産運用においても有利となります。
売るタイミングと売る方法について
収益物件の売却を有利に進めるためには、満室という好条件の達成とともに、売るタイミングとその方法も重要です。
売るタイミング
新規参入者が多いとき
収益物件を売却するのに最も適している市場の状態は、新規参入者が多いときです。すなわち、大手銀行の融資が盛んで、一般投資家が収益物件の購入に力を入れるときです。新規参入者が多いということは、それだけ物件を購入してくれる可能性のある人が多いということになります。
しかも、新規参入者は不動産に対する知識が少ないため、普段売れにくい物件でも購入してくれる可能性があります。
利益が購入額を上回るとき
物件を売るのにもっともふさわしい時期は、その物件を売って利益が出るときです。つまり、その物件に費やした「投資額」と「売却価格」の合計が、物件の「購入額」を上回るときです。「投資額」には、設備や入居のための広告にかけた費用などを含みます。
売る方法
物件を売却するときは、相場を確認したうえで価格設定を行わなければなりません。相場とかけ離れた金額ではそもそも買い手がつかない可能性が高いでしょう。
価格を見極めたり、手続きを進めたりするのが困難な場合は、プロにまかせるのも1つの手です。プロは物件売却の指揮をとってくれますし、より高値で売るためのアドバイスもしてくれます。
満室にするための対策方法
満室状態で売却するためには、物件を満室にしなければなりません。次は、物件を満室にする方法やポイントについてご紹介します。これを間違うと取り返しのつかない事態にもなりかねないため、慎重に対策をとりましょう。
家賃を下げ過ぎない
入居者を増やす方法として真っ先に思いつくのは、「家賃を下げる」ことかもしれません。しかし、むやみに家賃を下げてしまうと、物件そのものの売却価格も下がってしまいます。いくら満室のほうが高く売れるからといっても、家賃の変更には慎重にならなければなりません。
とくに空室が多い場合は、単に家賃を下げただけでは入居希望者が急に増えることはありません。家賃を下げるよりも「なぜ人が入居したがらないのか」という根本的な問題に着目し、物理的な部分を改善するほうが得策です。
清潔感を第一に考える
物件は新しければ新しいほど人気があり、家賃も高く設定することができます。古い物件でもきれいにリフォームを行えば、入居希望者の増加に繋がります。ただし、「新しければいい」「リフォームすればいい」という考えに陥ってそれを実行していると、かけたお金の割に効果が得られないという事態にもなりかねないため注意が必要です。
新しい物件やリフォームされた物件が人気である一番の理由は、「清潔感があるから」です。新しい物件やリフォームされた物件は他人が使った形跡がほとんどないため、清潔感を感じやすいのです。いくら新しい物件でも、部屋の隅に少しほこりが溜まっているだけで入居をためらう人は大勢います。
つまり、たとえ少し年季の入った物件でもしっかりとクリーニングが施され、壊れている部分がきちんと修復されているだけでもかなり印象は良くなるということです。また、しばらく空き部屋状態が続いている部屋は、定期的に掃除をすることも大切です。
物件の真の魅力を捉える
入居者を増やすには、実際に住むと感じる物件の魅力を捉えることも大切です。毎日そこで暮らしてみないと分からないことは意外と多いものです。たとえば、以下のポイントは、どれも実際に住んでみないと気付かないことではないでしょうか。
【物件の魅力の例】
・コンセントの位置が使いやすい
・冬でもすぐにお湯が出る
・朝日が入る
・治安がいい
・夜も静か
物件の所有者にとっては小さなことでも、毎日そこに住む人にとっては重要なポイントがたくさんあります。入居について複数の物件で迷っている人にとって、このような些細なポイントが入居を決めるカギとなることも決して珍しくはありません。物件を満室にするには、入居者にとっての真の魅力をしっかりアピールすることが大切です。
不動産会社と連携する
入居者の募集には不動産会社を利用しますが、依頼をするだけで満足してはいけません。入居希望者が集まるかどうかは、不動産会社のさじ加減に大きく左右されるからです。
規模にかかわらず、不動産会社は付き合いが深い物件にお客様を流すという傾向があります。とくにお客様が2つの物件で迷っているような場合には、不動産会社の担当者は付き合いがより深い物件に誘導しようとします。入居先を探している人は「不動産会社のプロが言うのだから間違いない」という気持ちになりやすいのです。
入居者の募集を開始したら不動産会社にはこまめに連絡を取り、入居を希望しそうな人はいるかどうか確認をとるようにしましょう。
まとめ
収益物件を購入したい人にとって、「満室」という条件は非常に魅力的に映ります。
もちろん、物件を満室にするためには多少費用がかかるかもしれません。とはいえ、物件を高値で売却することができればその分を回収することも十分可能です。仮に物件の売却を見送ることになっても、物件が満室になれば家賃収入が多く手に入るようになるため損にはなりません。
収益物件の売却を考えはじめたら、まずは満室状態にすることを第一に考えましょう。
株式会社松堀不動産では、埼玉県東松山市、比企郡エリアの不動産を多数取り揃えております。
一戸建て、土地など不動産の購入や売却を検討中の方は、お気軽に当社までご相談《TEL:0120-237-866》ください!
住まいをお探しの方はこちらをクリック↓
お問い合わせはこちら