不動産を購入するときに気をつけたいのが、瑕疵物件(かしぶっけん)の存在です。瑕疵物件の代表格はいわゆる「事故物件」です。「事故物件」と聞くと、死亡が伴う事故・事件などが発生した物件というイメージが強いかもしれません。しかし、「問題がある」という意味での瑕疵物件には、このほかにもさまざまな種類が存在します。それらは、必ずしも告知の義務があるとは限りません。瑕疵物件を購入しないためには、ある程度瑕疵物件に関する知識をもっておくことが大切です。
そこで今回は、さまざまな瑕疵物件の種類について紹介するとともに、瑕疵物件を見抜くためにできることや購入した場合の運用方法についてご紹介します。
瑕疵物件とは
「瑕疵(かし)」とは、傷や欠陥がある状態を指しています。つまり瑕疵物件(かしぶっけん)とは、不動産を購入しようとする人にとって予期しない欠陥がある物件のことです。一口に「瑕疵物件」と言っても、その種類はさまざまです。
物理的瑕疵物件
物理的瑕疵物件とは、その名のとおり物理的な欠陥がある物件のことです。たとえば、屋根の雨漏りや壁のひび割れ、床下浸水、シロアリの発生、アスベストの使用などがあげられます。また、建物だけでなく、土地にも瑕疵が存在する場合もあります。たとえば、地盤の歪みや沈下、土壌汚染のほか、土地の境界があいまいな場合や、地中に障害物・埋設物がある場合も瑕疵物件だと言うことができます。
物理的瑕疵物件は目で見て分かることが多いため、素人でも気付きやすいです。しかし、物理的瑕疵物件のなかには表面上はわからない瑕疵もあるため注意しましょう。
法的瑕疵物件
法的瑕疵物件とは、法律による制限がかかっている物件のことです。物件の瑕疵に関わる法律は主に、建築基準法、消防法、都市計画法の3つです。こういった法律によって発生する瑕疵は、たとえば構造上の安全基準を満たしていないこと、防災設備(火災報知機やスプリンクラーの設置など)が整っていないこと、建築制限がかかる計画道路指定を受けていること、接道義務に違反していること、開発が認められない市街化調整区域内に存在することなどがあげられます。
環境的瑕疵物件
環境的瑕疵物件とは、不動産そのものには瑕疵がなく、その不動産を取り巻く状況に問題がある物件のことです。たとえば、大きな道路に面していて振動がひどい場合や、周囲にゴミ屋敷がある場合が環境的瑕疵に当てはまります。ほかにも、繁華街が近くにあって夜の騒音がひどいことや、周辺に高層ビルがあり日当たりた眺望が悪いこと、近隣に暴力団事務所が存在することがあげられます。環境的瑕疵は個人の主観によって判断が異なるものでもあるため、気になる場合は実際に足を運び自分で調査を行う必要があります。
心理的瑕疵物件
心理的瑕疵物件とは、一般的に心理的嫌悪感をもたれやすい出来事が過去に起きた物件のことです。心理的瑕疵物件は、「事故物件」と呼ばれることが多いです。たとえば、過去に自殺、殺人事件、死亡事故があった物件、自然死で遺体が腐敗した状態で発見された物件、火災が起きた物件などがこれにあたります。売買される時点ではきれいな状態に復元されているため、本人さえ気にしなければ問題がないとも言えます。とはいえ、「事故物件」は、瑕疵物件のなかでも世間的にもっとも印象が悪い物件でしょう。自分自身は気にならなくても、不動産を運用していくにあたっては、注意すべきポイントです。
金融的瑕疵物件
金融的瑕疵物件は、所有者に何らかの金融的トラブルが発生したことにより売却された物件のことです。たとえば、所有者の破産や、所有会社の倒産により売却された物件です。基本的にはきちんとした手続きを踏んで売却されているため問題はありません。とはいえ、破産や倒産には書類からは読み取ることができないトラブルが隠れていることもあります。余計な問題を引き起こしたくないという理由から、金融的瑕疵物件を避けたがる人は多いです。
瑕疵物件のメリットとデメリット
瑕疵物件にはデメリットが多いように思えますが、考え方によってはメリットととれる性質もあります。瑕疵物件を購入する際は、その物件を運用することだけでなく、売却するときのことまで考える必要があるでしょう。
瑕疵物件のメリット
瑕疵物件は、瑕疵以外の条件が同じ物件に比べると価格が非常に安いです。そのため、物件を購入する際の金銭的な負担が少なくて済みます。瑕疵を問題と感じさせないような工夫を施すことができれば、大きく利益を出すことができるチャンスです。
瑕疵物件のデメリット
瑕疵物件での賃貸経営は、借り手がまったくつかないというリスクがあります。また、売却する際はかなり安い価格で売却しなければならない可能性が高くなります。下手をすると誰も購入しないという事態も十分あり得る物件です。また、自分自身はそれほど問題視していない瑕疵でも、ほかの人にとっては致命的な瑕疵である場合もあるでしょう。瑕疵をどう感じるかは人それぞれであるため、瑕疵物件に安易に手を伸ばすと失敗することが多いと言われています。
瑕疵物件を見抜くためにできること
瑕疵を見抜くためには、しっかりと調査を行うことが重要です。まずは、実際に現場を訪れて状況を把握することが大切です。物件そのものだけでなく、まわりの様子をよく観察することも忘れないようにしましょう。できれば近隣の住民に話を聞いてみたり、時間帯を変えて複数回訪れたりするとより詳しいことがわかります。
主観的にわかること以外は、不動産業者に詳しく問い合わせたり、不動産の法律に詳しい専門家に相談したりする必要があります。たとえば、物理的瑕疵に含まれるシロアリの発生は建物の内部で起こるため、ただ建物を観察しただけでは見極めることができません。そういった部分の状況を探るためには、不動産業者に建物の基礎の作りについて質問するのがおすすめです。建物の床下の基礎がコンクリートで覆われた作りになっていれば、シロアリが発生している可能性は低いと言えます。築年数が古く、建物の基礎がこういった構造でなければ、シロアリが発生している可能性は捨てきれません。その場合は、より詳しい調査を進めるべきです。
瑕疵物件を購入した場合の運用方法
調査を重ねたうえで十分納得がいくようであれば、瑕疵物件を購入しても問題はありません。ただし、その場合は、「一般的には風当たりが強い」ということを常に頭の片隅に置いておく必要があります。そのうえで借り手や買い手がつくような工夫を施していきましょう。
たとえば、心理的瑕疵物件など構造的にも近隣の環境面でも問題がない場合は、ターゲットをあらかじめその瑕疵を気にしないような人に絞ってみてください。価値観はどんどん多様化しており、きちんとした説明があれば、心理的瑕疵も気にしないという人は増えています。心理的瑕疵がある分、内装に力を入れるなどの付加価値をつければ、「住みたい」と思う人は必ずいるはずです。
ただし、瑕疵物件であることで通常の相場より家賃を減額しなければならないケースもでてくるでしょう。そのようなことも念頭に入れ、収益計画を立てたうえで購入を決めるようにすることをおすすめします。
まとめ
いかがでしょうか?
瑕疵物件にはさまざまな種類が存在します。なかには人の主観による瑕疵も多く含まれるため、自分自身の考え方や貸す相手の心境を考慮したうえで、慎重に検討を進める必要があります。もちろん、明らかな欠陥があり、購入しても損失だけが残るような物件は購入すべきではありません。しかし、考え方や少しの工夫で条件を改善できるような物件であれば、一般的には瑕疵物件に見える物件のなかにも「掘り出しもの」がある可能性があります。利益をなるべく多く出すということにポイントを置いて、さまざまな物件を視野に入れてみるのも1つの手だと言えるでしょう。
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