円満相続に必要不可欠な「片づけ」
50代から本格化する「親の家問題」。最も多いお悩みは「片づけ」です。
親御さんが元気なうちに片づけを始めると、リフォームや売却、相続の話合いにつながりやすいのは確かです。でも、話し合いを開始するハードルは何かと高いようで、いつかしなくては、と思うもののきっかけがなく、結局は先送りになってしまう方も多いのです。
多くの家財に囲まれて住んでいる親を心配して、一緒に片づけようとすると、直面するのは、「子どもに捨てろと言われたくない!」という頑な態度。
私はこれまでに、親の家の片づけや遺品整理で3500軒以上のお宅に伺っています。
「捨てろ」
「捨てない」
の大げんかが始まり、口も聞かない状態の時に、引き出しの中から出てきた古びた写真をお渡ししたことがあります。
すると親子で
「この人は誰さんだっけ?」
「あ~○○さんだよ、あなたをすごく可愛がってくれたじゃない」と普通の会話。
写真は家族間のコミュニケーションツールで、片づけを始めるきっかけになる!と実感した瞬間でした。
やり方はとても簡単。親子で一緒に写真を整理するだけです。整理しながら、様々な喜怒哀楽の場面や、親御さんが伝えたいと思っていることなどを共有するのです。
人生を振り返りこの先を考えることによって、徐々に片づけに取り組んでいくことができます。
GWやお盆で家族が揃った時に、皆で選んだ写真でベストアルバムを作ってみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール
野口 幸恵(ノグチ ユキエ)
一般社団法人 日本ホームステージング協会 理事
現在までに伺ったお宅は3500軒以上の引越しと片付けを行う。片づけに悩んでいる方の救世主。建設会社・リフォーム会社・不動産会社等でのお片づけセミナー講師多数、TV朝日『お願い!ランキング』『関ジャニの仕分け∞』『NHKニュースウォッチ9』出演
著書『実家と空き家の片づけ方』『イラストだから簡単! なんでも自分で包む本』