多くの遺品整理の現場で必ず出てくる物があります、銀行の通帳です。
1~2冊は少ないほうで、束になって出てくることもあります。
何年か前男性のお宅の遺品整理をしていた時、寝室のベットのマットレスを持ち上げたら、驚いたことに銀行通帳がキレイに並べてありました。
お立合いのお嬢さんにその通帳の束をお渡ししたら「すみませんこの銀行は何銀行になりました?」と聞かれたのです。銀行が盛んに統廃合をしていた30年位前から使わず、存在すらも忘れてしまった通帳だったのです。
お嬢さんが「嫌だ、お父さんたら通帳があった事も忘れたのね」とおっしゃったので「預金を忘れるなんて羨ましい」と答えて笑い話になった事を覚えています。
通帳の残金が少額の場合は通帳自体捨ててしまう判断をするご家族もいらっしゃいます。
銀行口座は名義人が亡くなった事が分かると凍結し入出金ができなくなります。相続して名義変更しなければならないのです。
名義変更時に揃える書類(銀行によって必要な書類が異なる場合があり)は
・預金名義書き換え依頼書(銀行に備え付け)
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書
・被相続人の預金通帳、キャッシュカード
・遺産分割協議書(不要な場合もある)
この書類の取得に料金もかかり、時間も手間もかかります。
法定相続人が多い場合は名義変更なんてやらなければよかったと言う人すらいらっしゃるほどです。
又、10年以上入出金がないと休眠口座となります、この休眠口座は年間1200億円ほど発生し700億円ほどはそのまま放置されているようです、実にもったいないですね。
使っていない銀行口座がたくさん眠っていませんか?銀行口座はたくさん持っていると意外と大変になるのです。
全ての口座の見直をして、使っている口座2~3に絞ってしまいませんか。
使っていない口座を解約して、残金をまとめると、豪華なランチや小旅行の料金位はあるかもしれません。
今回の記事を書いた人
野口 幸恵(ノグチ ユキエ)
一般社団法人 日本ホームステージング協会 理事
現在までに伺ったお宅は3500軒以上の引越しと片付けを行う。片づけに悩んでいる方の救世主。建設会社・リフォーム会社・不動産会社等でのお片づけセミナー講師多数、TV朝日『お願い!ランキング』『関ジャニの仕分け∞』『NHKニュースウォッチ9』出演
著書『実家と空き家の片づけ方』『イラストだから簡単! なんでも自分で包む本』