日本は現在個人の所得税率を引き上げ、法人税率を下げる方針をとっています。
そのため今後は、不動産を法人名義で購入する人が増えていくと予想されるのではないでしょうか。
しかし法人として不動産を購入する場合にも、個人とは別に経費がかかります。
社屋や事業所、店舗と法人で不動産を購入する目的はさまざまです。
この記事では法人で不動産を購入する場合の経費について解説します。
法人が不動産購入をおこなう場合にかかる経費における税金
法人が不動産を購入すると、一度だけかかるのが不動産取得税です。
固定資産評価額×税率で計算され、各都道府県に納税することになっています。
税率は土地・建物に課税され、2018年4月以降は一律4%に。
固定資産税評価額は自治体の固定資産課税台帳に登録されており、納税通知書でも確認することができます。
不動産購入時の移転登記にかかる税金が登録免許税です。
こちらも固定資産評価額×税率で計算されます。
そのほかにかかるものとしては売買契約書や領収書に貼る印紙代。
売買契約書は契約金額に応じて200円~60万円、領収書は契約金額に応じて200円~20万円のものが必要です。
続いて消費税。
こちらは建物にのみ課税され、土地にはかからないので注意しましょう。
法人での所有においても固定資産税と都市計画税は毎年かかります。
固定資産税は固定資産評価額×1.4%、都市計画税は固定資産評価額×自治体の定める税率(最大0.3%)です。
法人が不動産購入した場合にかかる経費の節税方法
所得税率は累進課税の方式をとっています。
法人は個人と異なり、給与所得とは異なる計算されるため、適用税率を低くすることができます。
建物の耐用年数から経費計上を算出する減価償却費は、法人の場合任意償却となり、決められた額の範囲内で金額を決めることが可能です。
ある年の利益を償却費で相殺して0円にすれば、法人税を支払わずに済み、残った額も翌年以降の利益から償却できます。
譲渡所得も減価償却費と同じく調整がきくので、納税額の節税に効果が。
役員報酬を使った節税も可能です。
たとえば所得税率の低い妻を法人の所属にして役員報酬を支払えば、合計額から判断した場合、最終的な納税額を抑えられます。
妻の勤務先が別のところでも問題ありません。
法人で所有すれば、保険の掛け金積み立てを経費計上することで節税できます。
大規模修繕まで積み立てておけば、保険を解約することで払戻金を受け取り、それを修繕費にあてることも。
そのほかにも住宅を法人名義で借りて家賃を経費にしたり、交通費を出張手当にしたりするなど、細かなこともトータルでは節税に繋がります。